楽譜作成にあたっての著作権いろいろ
いきなり更新が滞っておりますが、活動を止めているわけではありません。
楽譜を作成するだけでも複製権や翻案権、ネットで動画を公開したりインタラクティブ配信する場合には演奏権、頒布権など、いろいろの著作権が絡んできますので、権利元から許諾を得なくてはならないのです。
採譜ぁたるもの、作者へのリスペクトを忘れず、権利を守るのは絶対ですね。
そもそも私の場合、リスペクトするので耳コピしてしまうというのもありますが。
許諾の話に話を戻しますが、この手続きは、楽譜を作成するより時間がかかることが多いです。
私の場合、そういった曲ばかり採譜してきたので、出だしから工数がかかっています。
「時間がかかることが多いっていうことは、あまり時間がかからないこともあるの?」
と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、「あります。」
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楽譜作成にあたって、作成者が権利元から許諾をとる必要がない楽曲
①そもそも著作権が切れている楽曲
②許諾を代理でやっていただける楽曲
の2つのケースです。それでは一つずつ説明します。
①そもそも著作権が切れている楽曲
というのは、簡単には古い曲、クラシックとかが該当します。
ルールとしては作曲者がなくなって50年~100年経ったものなら大丈夫です。
50年~100年と幅があるのは、TPP改正施行の前後、作者の国籍、戦時加算とかいろいろな条件で変わるため、一概には言えないためです。作者の亡命とか編曲者が入っていたりすることもあるので、
JASRACで検索して「消滅」「PD」となっているのを確認するのが確実かと思います。
たとえば以下の作曲者などは、クラシックとして市民権を得ていると思いますが、実はまだ著作権が切れていないため気を付けましょうね(2022年3月19日現在)。
・ルロイアンダーソン 主な楽曲:「トランペット吹きの休日」「そりすべり」など
・ハチャトゥリアン 主な楽曲:「剣の舞」「仮面舞踏会」
②許諾を代理でやっていただける楽曲
というのは、楽譜をインタラクティブ配信するために利用しているプラットフォーマーさんに代理でまとめて申請していただける(ものもある)、ということです。
私の場合、Piascoreさんで楽譜を配信させていただいています。
なんと、楽譜を作った楽曲の著作権管理がPiascoreさんとお付き合いのある特定の組織であれば、Piascoreさんのほうで代理で許諾を取っていただけます。
たとえばこんなところです(2022年3月19日現在)。
・ジャニーズ出版
・スタジオジブリ
・日音Synch事業部(外国曲のみ)
・ピアーミュージック(外国曲のみ)
・ワーナー・チャペル音楽出版社(外国曲のみ)
・ホットワイヤー(外国曲のみ)
・NHK出版
・セブンシーズミュージック
最新情報はこちらでご確認ください。
人気のスタジオジブリが含まれているのは大きいですね。
私はジブリの曲を採譜したことはなかったので、これを機に検討してみたいと思います。
たとえば直近で楽譜を作成した楽曲「くらし発見 テーマ」を管理しているのはNHK出版なので、
実はPiascoreさんに代理で許諾申請をしていただけたのですが、
どうやらNHK出版とセブンシーズミュージックについては2022年3月2日に代理許諾申請対象に加わったばかりでタイミングが悪くて知らずに私のほうで許諾を取りました。
とはいえNHK出版さんからは1日くらいで許諾をいただけました。
「あれ、話違わない?そんなに許諾って時間かからないじゃん、NHK出版さんは1日なんでしょ?」
と思われた方、うーん、そうでもないんです。
私の場合、もともと作り置きしていた楽譜の中でゲームの楽曲の比率が多く、
しかもJASRACやNexToneで管理されていない楽曲ばかりだったので、
権利元を調べながら許諾の申請をいただけるようにコンタクトを取っているところです。
具体的にはスクエニさん(ファイナルファンタジー)やセプティマ・レイさん(クロノクロス)など。
許諾をいただき次第、こちらでお披露目したいと思いますが、
Piascoreにゲーム音楽の楽譜があまり含まれていないことを考えると、
許諾をいただきにくい理由がある(最悪拒否されてしまう)のかなぁと思ったりしています。
まだ活動を始めたばかりなので、このあたりは手探りで進めていくしかないですね。
進捗はまたこちらで報告させていただきます。
それではまた。
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